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抑うつ

機能性神経症状や解離性神経症状の患者さんには、うつ病や気分の落ち込みがよくみられます。

このウェブサイトは、これらの症状について詳しく説明するためのものではありません。

… うつ病は、悲しいと感じない人でも、物事に興味がなくなる、疲れる、集中力が低下する、睡眠が乱れる、食欲が変化するなどの症状があれば診断されます…

機能性障害に関連して、2つのことをはっきりさせておく必要があります。

多くの患者さんは、何がうつ病の診断を構成しているのかを認識していません ここでは、アメリカ精神医学会が発表した、これらの症状の診断を下すために広く使われている基準を紹介します。

驚くようなことは、憂鬱や悲しみを感じていなくても、うつ病である可能性があるということです。悲しいと感じない人でも、物事に興味がなくなる、疲れる、集中力が低下する、睡眠が乱れる、食欲が変化するなどの症状があれば、うつ病と診断されることがあります。

また、うつ病は、激しい欲求不満や怒りの感情として現れることもあります。

さまざまな治療法が考えられますので、うつ病かもしれないと思ったら、医療専門家に相談してください。FNDを合併している場合、うつ病の治療によりFNDの症状が改善されることもあります。

うつ病の診断基準(DSM-5)

A. 以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。これらの症状のうち少なくとも1つは(1)抑うつ気分、または(2)興味または喜びの喪失である。 注:明らかに他の医学的疾患に起因する症状は含まない 。

  1. その人自身の言葉(例:悲しみ、空虚感、または絶望を感じる)か、他者の観察(例:涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。 注:子どもや青年では易怒的な気分もありうる。
  2. ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味または喜びの著しい減退(その人の説明、または他者の観察によって示される)。
  3. 食事療法をしていないのに、有意の体重減少、または体重増加(例:1ヵ月で体重の5%以上の変化)。またはほとんど毎日の食欲の減退または増加。 注:子どもの場合、期待される体重増加が見られないことも考慮せよ。
  4. ほとんど毎日の不眠または過眠。
  5. ほとんど毎日の精神運動焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)。
  6. ほとんど毎日の疲労感、または気力の減退。
  7. ほとんど毎日の無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある。単に自分をとがめること、または病気になったことに対する罪悪感ではない)。)
  8. 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(その人自身の言明による、または他者によって観察される)。
  9. 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)。特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図、または自殺するためのはっきりした計画。

B. その症状は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

C. そのエピソードは物質の生理学的作用、または他の医学的疾患によるものではない。
注:基準A~Cにより抑うつエピソードが構成される。
注:重大な喪失(例:親しい者との死別、経済的破綻、災害による損失、重篤な医学的疾患・障害)への反応は、基準Aに記載したような強い悲しみ、喪失の反芻、不眠、食欲不振、体重減少を含むことがあり、抑うつエピソードに類似している場合がある。これらの症状は、喪失に際し生じることは理解可能で、適切なものであるかもしれないが、重大な喪失に対する正常な反応に加えて、抑うつエピソードの存在も入念に検討すべきである。その決定には、喪失についてどのように苦痛を表現するかという点に関して、各個人の生活史や文化的規範に基づいて、臨床的な判断を実行することが不可欠である。

D. 抑うつエピソードは統合失調感情障害、統合失調症、統合失調様障害、妄想性障害、または他の特定および特定不能の統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群によってはうまく説明されない。。

E. 躁病エピソード、または軽躁病エピソードが存在したことがない。 注:躁病様または軽躁病様のエピソードのすべてが物質誘発性のものである場合、または他の医学的疾患の生理学的作用に起因するものである場合は、この除外は適応されない。

[翻訳者:是木明宏]